いつだってご機嫌斜め

このまま待っててね アイドルしてくるね

帰り道は遠回りしたくなる

乃木坂の「帰り道は遠回りしたくなる」がめちゃめちゃ良い。発売されたのは去年の11月だからもう聴き慣れてはいるしお茶の間でも沢山目にしたんだけど何度見ても良い。何が良いって、ダンスが良い。

 

私が48G系をヤバイヤバイ言い出すのって大体、秋元康の歌詞が気持ち悪すぎ。最高。一生死ぬな。って時なんだけど珍しく歌詞より断然地上波で踊る時の振りに目がいった。

この曲はこの子を好きっていう男は大体ダメと言わせると名高い西野七瀬の卒業ソングで、PVも歌詞もCDジャケットも全て西野七瀬が主役で、物凄く気合いが入ってる。と、46系に詳しくもなければ推しもおらずファンでもなんでもないただの一般人からも分かる。私は西野七瀬のファンでもないし、西野七瀬が絵を描く子というのもPVを観て初めて知った。乃木坂の一般知名度がよくわからないんだけど、アイドル全然興味ない人なんて西野七瀬知ってる人もまだ少ないんじゃない!?おっさんなんか生きる女神こと白石麻衣の名前ぐらいしか知らないと思う。そういうおっさんに乃木坂の写真を見せると、まいやんを見て「確かに凄く美人だけどタイプじゃない。こっちの子の方が好きかな」と言いながら指差されるのが西野七瀬。どうでもいい。いやーーーでもこの子の卒業って物凄いことだったんじゃ?と思わせるのがこの曲なんですよ。

まず最初のイントロ、ここはショートバージョンだとカットされがちなんだけど、ダンスが始まる前、他のメンバー全員は後ろを向いていて、西野七瀬だけが前を向いて歩いてくる。この時点であっ凄いな!って思った。

48G系の主要メンバーの卒業ソングって、あんまりこういうの観たことない気がするんですよ。卒業するメンバーはもちろんセンターで、みんなより前に出てるんだけど、本当にそれだけ。最近だとさや姉の「僕だって泣いちゃうよ」もそう。あれも一番前で歌っているだけ。

これは卒業ソング関わらず「センター」というものに対してもそう。ほんと、ほんのちょっとみんなの前に出てるだけなんですよ。いやPVとかジャケットとかはもっとちゃんとセンター感や卒業感出してるんだけど、テレビでダンスしてる部分だけみるとそれしか分かんない。昔こじはるが「センターは振り忘れた時に見る人がいないからヤダ」的なことを言ってたんですけど、ほんとそれだけだと思わせるぐらいの存在。センターなんて、もうテレビでしか48を観ない人からしたら全然気にもしないんですよね。あまり知名度ない子がやったら結局有名な子ばっか映るしね。

だけどこの曲の西野七瀬は最初から最後までTheセンター。この西野七瀬って子はこの曲の中で特別なんだなってパッと観てわかる。これって凄い。

後半でメンバー全員が西野七瀬を囲むとこがある。左右にいるまいやんとあしゅが大体アップで映され、「君と別れるのは悲しいけど、大事な別れだ」と歌うと、西野七瀬がマイクを下ろして、真ん中でソロで踊るんですよ。

踊るって言っても2秒ぐらいしかない。でもこの、まいやんと全美容垢が似てると言われたい女2018年度殿堂入りの女こと齋藤飛鳥が左右に捌けた、その2人によって作られたその空間で、西野七瀬は、マイクを下ろして、ギュッと力強く踊る。もうここがあまりにも好きで。

グループの中のアイドルとして確実に人気ではある、絶対可愛いのも間違いない、でもAKBの前田敦子NMB山本彩みたいな扱いではない、そんな女の子が、誰が観ても、彼女を知らない人でも圧倒的にセンターという存在感をだして踊っている。この感じ。

あとこれは多分46全体の特徴だとは思うけど、48Gと比べてダンスが結構特徴的なんですね。全体的なところから細かい指の動きまで。ちょっとperfumeぽさまで感じるぐらい。難しいだろうな……。だから余計かっこよく見えんだろうな……。

その後もメンバー全員が左右に捌けた真ん中で1人で西野七瀬は歌って踊る。完全に花道。完全に彼女のために作られた道。これは誰が観ても間違いなく「西野七瀬」という、西野七瀬という名前を知らない人でも、この女の子の曲だって絶対わかってしまうじゃないですか。あーーーーーーこのアイドルの特別感!!!好き!!!

結局歌詞の所にも触れるけど、この曲の歌詞はメンバーから見て、ファンから見て西野七瀬が大切な存在だった、もちろん西野七瀬からも乃木坂が大切な場所だった、という風に感じるけど、もうここまでセンターと卒業の特別さを出されると、西野七瀬が卒業という道を選んだことをこの曲を歌っている間後悔させたいんじゃないの?とまで感じる。やすすはななせまる失うの納得してないんじゃないの?悔しいんじゃないの?

まゆゆの時も、ちょっとこの特別感は感じた。「11月のアンクレット」。まゆゆはみんなの前で、メンバーの真ん中で、可愛い可愛いステップを踏みながら1人で歌う。最後にマイクを置く振りとか。The正統派アイドル。タイプ属性はCute。でもあれは、「可愛いアイドル像を貫かせたい」「最後まで可愛いまゆゆを見せてあげよう」という願いが込められている感じがする。失いたくない、でも応援もしてあげたい、君は最後まで可愛かった。そんな感じ。何よりあれは圧倒的に秋元康の歌詞が気持ち悪い方が先に来てしまうんだよね。まゆゆの卒業はまゆゆに振られたことと同然という感情。マジで気持ち悪いよね。最高。頼むから長生きしてね。

 

そんなことをこの曲からいっぱい感じるのでめちゃめちゃ好きです。特に乃木坂興味もないのにここまでインパクト受けたのが衝撃的だった。いやー好き。ファンの人やもっと詳しい人から見るとまた全然違うんだろうけど、一般人から見て乃木坂46西野七瀬はすげえなあと思った話でした。